私が葵に連れて来られたのは、葵の家。葵は、家に入ると「とりあえず、座って」と微笑んだ。

私は、葵に言われるがままにイスに座る。葵は「ちょっと待ってて。ここにある本、読んでてもいいよ」と言って、部屋を出ていった。

本を読みながらしばらく待ってると、「お待たせ」と葵の声がする。顔を上げると、葵は和服を着ていた。

「……ほのか。今まで黙っていてすみません」

葵は、ぺこりと頭を下げる。その様子に、私は驚くことしか出来なかった。

「……私も、庚と同じく転生した神様なのです」

「……っ!?」

「私は、転生したライヤ……いや、庚を守るために転生しました。私には前世の記憶はあり、神様の力を使えます……名前は、全く変わっていません。それに、字も……私は、神様の頃から漢字でした」

「あ、そっか……神様の中には、漢字の人も私みたいにひらがなの人もいるんだっけ……でも、何で急に……?」

「……あなたが、私たちに過去を話してくれたからです。ですが、今はほのかにしか話しません……いつか、皆さんには真実を話します。ですので、私の正体やこれから話すことは黙っていて欲しいのです」

葵の言葉に、私は「分かった」と頷く。そして、葵は口を開いた。