その言葉に、男の子たちは「え……」と庚を見つめた。

「僕は、今更友達に戻るつもりはないよ。君たちの言葉に、どれだけ傷ついたか……それに、僕は……魔法学校に入って、新しい友達が出来た。魔法について一緒に勉強して、一緒に練習して、時には一緒に遊んで……そんな友達……いや、大切な仲間が何人もいる。僕は、今の学校生活に満足してるんだ」

庚は幸せそうに微笑んで、話す。それを聞いた1人の男の子は、庚に近づくと庚の服を掴んで引き寄せた。

「お前、幸せそうに笑うんじゃねぇ……お前は……お前は!ずっと泣いてる方がお似合いだ……消えろ」

「……っ」

その時、視界に映っていたレイストが動いた。素早い動きで男の子の腕を掴む。

「……これ、弱いものいじめだよね……女の子がいる前で、弱いものいじめとは……」

「……でも、こいつ……魔法が使えるんだぜ?」

「そうだね。だからって、いじめは良くないよ。魔法が使えるって、かっこいいことだと僕は思うけど……」

「……私は、1回庚に魔法で助けられてるんだ。どうして、君たちが魔法をバカにするのか分からないけど……でも、魔法の使い方によって、人を助けることだって出来る!」

レイストと私がそう言うと、男の子は庚から手を離した。