桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~

レイストの呟きに、庚はそう言う。

「慌てないで。まずは、利希の家の場所を知らないと……場所さえ分かれば、移動魔法で行けるから。誰か、利希の家知らない?それか、地図ない?」

「……千草くんが描いた簡略地図ならあるよ」

先生はいつの間にか手に持ってた紙を、レイストに渡した。それを見たレイストは「……うーん。これなら、行けるかな」と紙を地面に置く。

「皆!目を閉じて。移動するよ」

レイストの言葉に、私は目を閉じた。ちょっとしてから、レイストに「開けていいよ」と言われて、私は目を開ける。

「……ここが利希の家?」

「いや、ちょっとずれてる。封じ魔法が利希の家の付近にかかってるみたいで、移動出来なかったから、ちょっとずらした。利希の家は、こっちっぽいよ」

レイストはそう言って、着てる和服を揺らしながら歩き始めた。私たちもレイストの後をついて歩く。

「……ここだよ」

レイストは立ち止まって、家を見上げた。一戸建ての家。

「……やっぱり、封じ魔法がかかってる。どうしよっかな……」

レイストが呟いたその時、家のドアが開いて、利希と同じ茶髪に茶色の目をした男性が姿を現す。

「君たちは?」

男性は、私たちを見て首を傾げた。