「……確かに……この字、利希……の?もしかして……利希に何かあった?」

「見ただけで分かるの?」

「利希の字は、ほぼ毎日見てるからね。でも、これが利希の字だって断定は出来ない……」

「……ふぅん。これ、二重に魔法がかけられてんのか……」

そう言ったのは、レイスト。レイストのいつもとは違う雰囲気に、私は驚くことしか出来なかった。

「……どういうこと?」

「言った通り、二重に魔法がかけられてんの。でも、二重に魔法をかけれるのは、相当の技術が無いと出来なかったはず……この世界でいう……そうそう。魔法使い達人の腕が無ければ」

「……っ!?」

レイストの説明に、私たちは驚く。レイスト、魔法について結構詳しいな……。

「……どうやら、1つは魔法を封じる『封じ魔法』がかかってるっぽい」

「そんなことまで分かるの?」

先生の問いかけに、レイストは「うん」と頷いた。

「……その魔法、僕が解こうか?」

「一体、どういうつもり?」

「勘違いしないで欲しいな~……ただ面白そうだから、協力してあげるだけ。仲間なんかじゃないからね。それに、僕は5人でいて欲しい。その方が、ちょっかい出すの楽しいしさ」

「……」

葵は、そう言うレイストをじっと見つめながら何かを考え込んでる。