「ほのか!葵!閃!」

次の日、私たちが校庭で先生と一緒に魔法の練習をしていると、私服を着た庚が私たちに近寄って来た。

「庚、どうしたの?」

「これを」

庚は、1枚の紙を私たちに見せる。

「僕宛てに来た手紙なんだけど……」

「えっと……助けて……?誰から?」

紙に書かれていたのは、『たすけて』という言葉だけ。

「……何で庚宛に?」

「分からない……」

庚は、紙を片手に首を横に振った。先生は、庚から紙を受け取ると、何かを考え込む。

「……これ、何かの魔法がかかってる……」

「何の魔法?」

私の問いかけに、先生は無言で首を横に振った。

「……またレイストが?」

「やだな~……今回は、何もしてないよ……」

閃の呟きに答えたのは、目の前に現れたレイストだった。

「……っ!」

レイストが現れたことに、私たちは驚く。

「本当に?」

「本当だって……そんなに疑わなくても」

困ったように、レイストは笑った。その言葉に、先生は「レイストくんの言う通りかもしれない」と言う。

「……え?」

「この字、どっかで見覚えが……」

先生を見てみると、先生は手紙をじっと見つめてた。その紙を、庚が覗き込む。