体育祭から数週間。今日は、朝から強い雨が降ってる。放課後、私は教室の窓から空を見上げた。

「すごい雨だな……」

隣にいた利希は、私と同じように空を見上げながら呟く。

「……梅雨だからね」

後ろを向くと、葵が私を見てた。葵の隣に立つ庚は、ちょっと嫌そうな顔をしているような気がする。

「雨だから、外に出たくないな~……」

閃の言葉に、利希は「そうだな……」と頷いた。

「そういや、利希は今日から実家に帰るんだっけ?」

庚の言葉に、利希は「うん」と頷く。その言葉に、私は驚いた。驚いたのは、私だけじゃなくて、閃と葵も驚いた顔を見せてる。

「あれ?利希から聞いてないの?利希、この休みを使って実家に帰るんだ」

庚は、利希を見ながら説明をしてくれた。

「……悪い。言うの忘れてた……今日から2泊3日で実家に帰るんだ……久しぶりに家族に会える……楽しみだなぁ。あ、そろそろ行かないと、約束の時間に遅れる!また、月曜日!」

時計を見上げた利希は、そう言って慌てるように教室を出てく。利希の姿が消えるまで、見送った庚は「……じゃあ、僕は図書館に行くね」とカバンを手に教室を出ていった。

「……あ、雨が止んでる……」

閃の言葉に外を見ると、さっきまで降ってた雨は止んでいた。