「……え?」

「皆さん、初めまして。私は、サナミ。ほのかの母です」

「……とりあえず、場所を移そうか。ここだと、ね……」

庚の提案に、私たちは頷いて校舎裏へと移動した。

「……そういや、皆に言ってなかったね。私のお母様とお父様は、神界を納めてるんだ」

「ええ!?」

皆は、声を揃えて驚く。驚くのも無理は無いよね。

「つまり、ほのかは……神界のお姫様?」

「まぁ、簡単に言ったらそんな感じ。それで……お母様、どうしてここへ……?」

「ほのか、一旦神界に帰ってきなさい。あなたは、レイストに狙われています。この者たちまで、巻き込みたくはないでしょう」

お母様の言葉に、私は俯いた。

……確かに、皆を巻き込みたくはない……でも、皆から離れたくない。私は、どうしたら良い?

「……」

誰かが、私の手を優しく包む。顔を上げると、庚は優しく微笑んでいた。

「……それは、ほのかが決めたら良い。もし、帰らないんなら……僕が、ほのかを守るから」

「……僕が、じゃない。僕たちが、だよ?庚」

利希は、そう言って笑う。閃も葵も微笑んでいた。

「……ありがとう……お母様、私……神界には帰りません。確かに、神界にいた方が安全かもしれません」