「……さぁ、ほのか。利希たちの所に戻ろう」

ベットから出て、庚は保健室を出ようとする。私は、慌てて庚の後を追いかけた。校舎を出て、利希たちに近づく。

「あ……庚!大丈夫?」

私と目が合った葵は、そう言いながら近づいてきた。それに気づいた閃、利希も近づいてくる。

「うん。大丈夫」

そう言って、庚はニコリと笑った。



「皆、体育祭も終わったことだし……魔法祭行こうぜ」

体育祭が終わった時、利希に声をかけられた。……あ、そっか。今日は、魔法学校の創立を祝う魔法祭の日だった。確か、魔法学校は魔法祭の日に体育祭も開催するんだっけ。

「うん!行こう!」

私たちは私服に着替えると、魔法祭の会場である校庭に向かう。もう色んな屋台が並んでて、魔法学校の生徒で賑わっていた。

「……おお!凄い……あ!魔法薬の色したジュース売ってる!あれは、何の効果の魔法薬だろ……」

周りを見渡した葵は、そう言って歩き始める。私たちも歩き始めた。それぞれ、屋台に並んで好きなものを買う。

「……庚、1つ聞いていい?」

チョコバナナを食べながら、利希は庚を見つめた。

「俺と閃の競技が終わって、庚とほのかに近寄った時、お前……暗い顔をしてたよね?どうして?」