たまたま聞こえた葵の呟きに、私は疑問を持つけど、聞いたらダメな気がして、聞けなかった。

「……さすがだな。見事な魔法だったよ」

私の後ろにいた試験官が、突然話しかけてくる。ん?この気配は……。

「……この気配……もしかして、あなたは神様……!?」

「ん?そうだけど……君も神様だよね。ここで働いてる人は全員、神様がいることや俺の正体を知ってるよ?……とにかく、皆さん、試験お疲れ様でした。試験結果は、1週間後に届きます」

そう言って、ニコリと試験官は笑った。



昇格試験から約1週間。今日は、庚と遊ぶ約束をしている日で休日。

「ほのか!」

魔法学校の正門前で待ってると、私服を着た庚が姿を見せた。庚の腕には、金色の腕輪が輝いてる。

「……お待たせ。じゃあ、行こっか」

「うん」

私たちは、無事に昇格試験に合格して、魔法使いになれた。その証として、私たちは魔力が込められた腕輪を付けてる。これは、付けると自分の腕にピッタリの大きさになるんだ。

それで試験前の庚との約束通り、今日2人で遊ぶ約束をしたんだよね。

「ほのか、昇格試験合格おめでと!」

「庚もおめでとう」

私たちは、顔を見合わせると同時に微笑んだ。