「そっか。努力家なんだね、閃は」

私が微笑むと、閃は顔を上げてから驚いた顔を見せた。

「……練習するのも良いけど、程々にしなよ?使いすぎて、倒れちゃうかもしれないしさ」

それだけ言って、私は閃に背を向けると、寮に向かって歩き始めた。



「……」

あれから数日。昇格試験まで、後4日となった。私は、昇格試験に出てくる魔法はすべて習得済み。休み時間の今は、私と庚と利希の3人で魔法学校の中にある広場で魔法の復習をしてる。

「なぁ、ほのか……」

利希に話しかけられて、私は利希を見る。

「あ、明日……休み、でしょ?俺と庚とほのかで、遊ぼうよ!ちなみに、葵もいるよ」

顔を赤くしながら、利希は言った。特に用事とか何も無いから「良いよ」と頷くと、利希だけじゃなくて、何故か庚も嬉しそうに笑う。

「……閃は誘わないの?」

「……いや、誘わないよ。ちょっと、ついでに閃のことで、相談をしたくて……」

庚と利希は顔を見合わせると、庚がそう言った。閃のこと……?

「……また詳しくは、その時話すよ」

「……分かった」

利希の言葉に、私は頷いた。



「それで、相談したいことって?」

久しぶりに町に出てきた私たちは、葵の家に上がる。もともと葵が、利希と庚に相談がてら遊ぼうって誘ったんだって。