あれから1週間。私たちは、何も変わらない日々を過ごしてる。今日、私と庚と葵と閃は、先生から特別にとある魔法を教えてもらっていた。

「精霊よ、我に力を与えよ」

私は、杖を構えてゆっくりと呪文を唱えた。今、私たちが教えてもらってるのは、『精霊召喚魔法』。自分の使い魔となって、力を貸してくれる妖精を召喚する魔法。

この魔法は、他の魔法の効果が倍になる効果があるそうで、その魔法系統は、妖精によって違うらしい。

何かこの魔法を使ってる間は、その系統以外の魔法は使えなくなるんだとか……。それに、使用時間によっては、解除した後に倒れたりするんだとか。

この魔法を覚えておけば、もしもレイストと戦闘になった時に役に立つから、覚えておこうって先生から言われて、教えてもらうことになったんだけど……これ、上級者向けの魔法だよね?

先生から聞いた感じだと。

「呼びましたか?」

ポンと音を立てて、黒髪に赤目の小さな男の子が姿を現した。男の子の背中には、妖精のような羽が生えてる。

「初めまして。僕は、アシュラ。魔法系統は、攻撃魔法です!また、呼んでくださいね!」

アシュラはポンと音を立てると、消えていった。……あ、使えた……。

「この魔法は、一応魔法使い見習いでも習得は出来るんだよ。ただ、達人くらいにまでならないと、維持は難しいけど……」