「ほのか!葵!」

外を走っていると、声をかけられて、私たちは立ち止まる。

ランタンで辺りを照らしている庚が、私たちに近寄った。庚の隣には、先生がいる。

「庚!」

「しーっ……この時間、寝てる人もいるから静かに」

先生は、自分の口に人さし指を当てた。

「庚くんから、話しは全部聞いてる。とりあえず、魔法図書館に行ってみよう」

先生の言葉に、私たちは顔を見合わせると、頷いて走り出した。

「……っ!」

さっき感じたのと同じ気配だ……閃、利希……無事でいて!