〜6年後〜





私たちは高等部に入り、変わったことは何一つ無い。



シーナは相変わらずラルクに熱い視線を向けているし、ミラの敬語癖も染み付いてしまった。
ラルクはその容姿や性格から学園のアイドルと化し、オルフェのツンデレぶりは全くとして変わらなかった。


…密かに、ラルクのファンクラブに加えオルフェのファンクラブもできているらしい。





どっちもイケメンだもんね。







私も学園生活、王宮での仕事 共にうんざりするほど慣れてしまっていた。

男装するのもすっかり板に着いたし、男の子の変声期に合わせて 魔法で低くした自分の声にも違和感がなくなった。













そして、〝碧花〟が止めなければならないという『大災害』も、前兆を全く見せずに…これから いつ どこで どんな災害が起こるのか。




全く分からないままだ。








そんな、平凡な日常のある晩の事──