そして、ミリヤでさえ驚いてしまう程の強い霊力。


零次自身はそれを理解していないようだが、一緒に戦っているミリヤはその強さに気付いていた。

特に意識してない状態でも、途切れることなく流れる霊気。

それは零次の霊力の強さを象徴していた。


こいつは、もしかすると………




「なにぼけっとしてんだよ。帰るぞ、ミリヤ」


ポンッと頭を叩かれる。


「こ、こら待て!」


さっさと来ーいと答える零次。


「あたしよりも先に、あれを見つけるかもしれないな……」


ミリヤは零次の背中を追い掛けた。





空中に1人の青年が浮かんでいた。

正確に言えば、人間の姿をした物だ。


彼は零次とミリヤを見下ろした。

零次から流れ出る微かな霊気を感じる。


「微かに流れ出た霊気から、これだけの力を感じるか…面白そうだなぁ…」


青年はニヤリと笑う。



「少し遊んでみるかなぁー暇だし」