妖怪化


零次が封印師となって、1週間。


大分封印師としての役割も板に付いてきた。


ついでにミリヤに数学を教えるようになってから1週間。


毎朝の個別指導が日課になっていた。




「はぁあ、終わったー。こう数が多いと大変だな」


封印師化を解除し、腕を大きく伸ばす。


「文句を言うな。
型のある奴らじゃないから、そんな疲れないだろう」

呆れながらミリヤが言う。

まぁな、と一言言うと、零次は鞄を持ち、歩きだす。

その後ろからちょこちょことミリヤがついてくる。




慣れとは怖いものだ。

1週間前まで封印師の存在も霊会の存在も知らなかった自分が、当たり前のように封印師化し、悪霊の除霊を行っている。


この頃は倒すコツも覚えてきたため、簡単に複数の悪霊を倒している。



思いの外伸びが早い。

ミリヤはそう思っていた。


才能なのか何なのかは分からないが、幼い頃から教育を受けてきたわけではないのに、悪霊の存在を理解した上で、ひるむことなく除霊を行っている。


ある意味、図太い精神力と覚悟を持っているということになるが……