実戦


「お〜すげー数だな…」


1、2、3…


全部で6体。

数の上では明らかに不利だ。しかし……



霊力が昨日よりかなり低い。

探らなくてもすぐにわかる。

悪霊自身から流れ出ている霊力の波長が弱々しいうえに、姿も昨日見たものより恐ろしくない。



深呼吸をすると刀を抜いた。

銀色のそれは太陽の光を反射してきらりと輝く。



悪霊が叫び声をあげた。

建物で声が反射され、必要以上に響き渡る。


そして、悪霊は零次に向かって、拳をおろす。



轟音とともに砂ぼこりが舞う。



「危ないっつーの」



高く空に飛び上がると刀をふるった。

2体の悪霊が倒れる。



他の悪霊は事態が飲み込めないのか、キョロキョロと辺りを見渡す。

だが零次の姿は見当たらない。


「こっちだよ」


再び刀をふるう。

頭にある角と、胸にある突起を切り捨てた。


「仕事早いな」


のんきな声が聞こえる。

顔を上げると同時に、光るものが空から降って来て、同時に悪霊の姿が見えなくなる。


「あと3体」


ニヤリとミリヤは微笑んだ。