封印師化しようとした瞬間、ミリヤからもらった人形を思い出した。
『これ、大丈夫だろうか…』
真剣に悩む。
が、近づいてくる悪霊が優先だと思い、霊玉を握り締め、念じ始めた。
体の底から力がみなぎってくる。
それと同時に、人形にあるボタンを押した。
人形は一瞬光に包まれると、零次が今までいたところに、全く同じ格好で座っていた。
その見た目は、零次そのものごく自然な様子で2人の会話を聞いていた。
予想外のできの良さ。
「へぇ…案外すげーじゃん。
じゃ、よろしくたのむ、俺の分身さんっ」
軽く手を挙げた零次に反応すると、人形は小さく頷いた。
それを確認すると、零次は走りだした。
碧は驚いた。
さっきまで隣にいた零次が袴姿で走っている。
いや違う。
零次はここに座っている。
じゃああれは?
状況が読めない。
「なにぼけーっとしてんだ?」
道隆の不思議そうな顔を見て、我に返る。
何でもないと答えると、唐揚げに乱暴に箸を突き刺した。
気のせい?だろうか…


