“お前等2人”の中に入っていたのが、気に入らなかったのか、碧が声をあげた。
すると道隆は、やけに鋭い視線を碧に送った。
「何言ってやがる!?
おまえだって零次と張るぐらいかそれ以上にモテるだろーがっ!!
…今日だって『きゃー碧君が髪切ってる〜!』『何やっても素敵よね〜』って騒がれてただろ!!
髪切っただけでなぜそんなに盛り上がるんだ!!?
この、クソやろーっ!!」
叫ぶと同時に思わず焼そばパンを握り締めた。
もちろん焼そばパンは潰れ、中から飛びだした焼そばが、道隆の怒りを表していた。
げーっ!!と再び叫ぶ道隆。
そして無残な姿となった焼そばパンを見つめうなだれる。
「お前真面目にバカだろ」
「うるせぇ!!黙ってろ!!」
「怒るとまたパン潰しちまうぞ」
「一言多いんだよお前はっ!!」
道隆と碧のやりとりを見て、思わず笑ってしまう。
本当に面白い奴らだ。
一緒にいて飽きることがない。
キィィィン―――!!
頭に音が響く。
悪霊の気配を感じ、霊力を探る。
こっちか…
零次は銀色の玉を取り出した。


