ミリヤは碧を厳しい目で見つめていた。
「どうした?」
零次が尋ねる。
「…いや、アイツ……零次の霊力の波長を感じ取ったのか…?」
零次が昨日変わった点といえばそこしかない。
まさかそこに普通の人間が気付くとは…
「あ〜アイツも普通のヤツより霊力強いからな〜。
探ったら分かるんじゃねぇ?」
淡々と話す零次。
ミリヤは言われたとおりに、そばにある霊力を探った。
「確かに…」
碧から霊力を感じる。
だから波長の変化が分かったのか…
封印師になったとはいえ、零次であることに変わりはない。
わずかな波長の変化があるだけだ。
それを感じ取れるだけの霊力が碧にはある。
「本人が気付いてるかは知らねぇけどな。
この辺、多いんだよそういうヤツ。
もう1人、強いのがいるけど…」
ミリヤがコクリと頷く。
「それはあたしも気付いていた」
「だろうな。
探らなくてもある程度傍にいれば分かるもんだ」
ドアの方を見る。
ガラガラと音がして扉が開く。


