「ったく、びっくりしたぜ。なんか知ってる感じがしたと思ったら…
……お前だったのかよ“石黒将”」


あはは、ばれたかー。と、楽しそうに笑うと、少年―――石黒将(イシグロショウ)は仮面を外した。


「仮面付けてたのに分かるなんてさすが白鳥君だね。
しっかし……」


将は地面に大の字に寝転がり空を見上げた。


「また負けたー」


「…何やってんだお前」

「だって中学の頃からまだ一回も勝ててないんだよ」
「良いだろ別に!!小学生の頃はずっと俺勝てなかったんだから」

「まぁね…強くなったなぁ白鳥君」


どこか懐かしそうに呟く将。


「お前もだろ。
でも、石黒は型にこだわり過ぎなんだって。
だから俺みたいな行き当たりばったりなのには勝てない」

「とか言って全国3位のくせに〜」

「右足怪我してなかったら1位だったかもな」

「またまた〜」


楽しそうに話す2人。


そこへ………


バコッ!!


「ぐはぁっ!!?」


何かが零次の横腹に入った。


「なにしやがる……」

「うるさいっ!!
お前等こそ何話し込んでいる!!」