仮面の少年の攻め方に覚えがあった。
何となくだったが、攻撃のパターンを知っている気がする。
正確な位置に攻める中で相手の隙を生み、それを正確につく。
細かい所まで計算された攻撃。
再び零次に打ち込んでくる。
それを素早く受け止めた。
少年の髪がサラサラと揺れた。
『コイツは…』
思い出した。
県大会で一番やっかいだったヤツ。
ニヤリと笑うと、竹刀を大きく振った。
相手の頭を目がけたそれは、簡単に防がれる。
―――今だっ…!
素早く竹刀を動かし小さな動きで横腹に打ち込んだ。
「胴っ!!」
零次の声と同時に、少年が苦しそうに咳をした。
「一本!」
寒野の声が響く。
肩の力を一気に抜くと、苦しそうな少年に駆け寄った。
「悪い、防具無いんだった。
大丈夫か?」
親しみのある様子で話し掛ける零次。
少年は少し顔を上げた。
「変わってねぇな、お前の正確な打ち方」
「…白鳥君こそ相変わらず強いね」
少年が声を発した。
少し子供っぽい、幼い声。
息は切れているが、どこか楽しそうな口調だった。


