何となく状況が読めてきた零次は、さらに質問を重ねた。
「断った場合、どうなる?」
その言葉に寒野は目を光らせた。
「簡単に言うと、俺たちとかかわった記憶を消され、霊力を特殊な術によってすべて封じられる」
淡々と発された言葉に動揺してしまう。
霊会に入れば日常は消え、先の読めない非日常に放り込まれる。
だが……断れば力を奪われる。
それは怖かった。
力が無ければ良いと、幼い頃はずっと思っていた。
力があるから自分は危険なめに遭う。
力さえ無ければ………
しかし、今は違う。
力があるからこそできることがある。
悪霊から誰かを守ることができる―――
数年前の記憶がよみがえる。
思い出したくはない、ヤミに葬りたい記憶―――
ニヤリと笑う。
真っ直ぐ寒野を見て一気に言葉を吐き出した。
「いいぜ。
その試験、受けようじゃねーか」
それを聞いた寒野も、同じく笑みを浮かべた。
「物分かりは良いみたいだな」


