じっと銀色に輝く玉を見ていると、突然体に激痛が走った。


「……っ!!」


顔をしかめているとミリヤが近づいてきた。

足取りはしっかりしているが、肩で呼吸をしていた。

どうやら零次と同じように体に痛みがあるらしい。

よく見ると、腕にハンカチを巻いていた。


「体…痛むのか…?」


「まぁな…元に戻っても、傷消えないんだな」


ふぅーっと息を吐くミリヤ。


「そりゃな。あたしが回復系の術を使えたなら良かったんだが…」


そこまで話すとミリヤはポケットから携帯を取り出した。

ボタンを押す音が聞こえる。


「…もしもし、赤組6級封印師の荒牧です…はい、無事終了しました。
ですが、2体いたことに気付かず、怪我をしてしまい…はい、ありがとうございます。
あ、後、封印師の覚醒者が…えっ…黄組の組長が?…いえ別に…」


誰かと話しているようだ。

口調から、目上の人かと思われる。


「…………」


よくわからない言葉をミリヤが連発していた。


妖怪化した悪霊

封印師

赤組や黄組ですら、よく理解できなかった。