はぁはぁと、息遣いが聞こえる。
明らかに辛そうなのに、弓を構える。
そしてそのまま、零次を睨み付けた。
「さっさと逃げろ!死にたいのかっ!」
この少女はどうして、自分を守るのか?
ただのクラスメイト
それだけ
わけのわからないぐらい
強い正義感
どっから生まれるんだ…
化け物の叫び声が響く。
それに合わせてミリヤも叫ぶ。
「早く!逃げろ!!」
化け物が再び手を高く挙げた。
ミリヤは頭の角を狙うが簡単に避けられる。
手が降りてくる。
体が動かない
もう…ダメだ…
ミリヤは目をつぶった。
「うおおおぉぉぉぉーっっ!!」
重い体を動かす。
足が重い。上手く走れない。それでも……
止まるわけにはいかない。
死なせて…
たまるか……っ!!


