ヤンキーとあたしと嘔吐~君に贈る物語~

先生まで広まってるの……



「そ、そうです」


「そっか」

やめなさい!とか言われるかと思っていたが、柴原先生は優しく微笑んでいた。


「あいつ顔は悪いけど、中身はいい子なんだ。家も複雑みたいで……」



「家……?」


「両親はいなくて、おばあさんと2人きりらしい。聞いてないか?」







そういえばリュウヤのこと何も知らない。






「まあ、仲良くしてやってくれよ。これで更生してかれれば1番いいんだけど」


わははと笑いながら6組に向かって歩いていった。



「知らなかった……」





そんなに複雑だったんだ。



リュウヤのことで頭がパンパンで授業中はなにも聞こえなかった。