後ろから声が聞こえて振り返る。



「リュウヤ……」

「おま、何泣きそうな顔してんの?こいつに何かされたんか?」


「いや、だ、いじょうぶ」




「倉橋……本当にこの男と付き合ってるのか?」



険悪な顔をするユウキをみて、あたしは頷いた。




「なんで?この男が好きなのか?」



好き……?
あ、でも付き合ってることになってるし好きって言った方がいいよね?



「う、うん……」


「そうか……俺やっぱり……」



「?」
「ん?なんの話してんだ?」



「俺、あの時倉橋を手放したこと後悔してる。今、もっと気持ちが増した」


ユウキ……?



「……っ」



「マリ、諦めないから。覚悟しといて」





ユウキは捨て台詞を吐いて行ってしまった。