「なんでなんだろ?」
木の下のベンチに座って、ボーっと過ごしたら30分はあっという間。
教室にもどるとリサが勢いよく駆け寄ってくる。
「マリ、大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「ごめんね、具合悪いなんて気が付かなくて……」
リサはしょぼんとする。
「いや、あたしも言わなくてごめんね」
……嘘ついてごめんね。
「俺も気づかなくて……」
ダイくんがリサの後ろから出てきた。
「ダイくんも気にしないで!」
「それにしても倉橋、あの山田ってヤンキーにすごい絡まれてたな」
「まあ……ちょっと色々あって最近話しかけてくるの」
弱み握られてるしな…完全無視はできない。
「大丈夫?あの人すごい不良で有名だよ」
「そんな有名なの?」
そんな感じしないけど、アホっぽいし。
リサがコソコソしながら喋る。
