「シバちゃん、倉橋さん体調悪そうだから保健室連れてって来るね~」
「おい、山田!」
生徒指導の先生が追いかけてきた。
「お前勝手なことすんなよ。倉橋さん大丈夫?」
「う、はい」
先生のほうをみる。
「あ、本当に顔が真っ青だ。山田よく気づいたな」
「まあな……もういいか?」
「お前は早く戻ってこいよ!!10分以上戻らなかったら探しに行くからな」
「わーかったわかった」
あたしは担がれた状態なので、2人の声しか聞こえなかった。
……助けてくれた?んだよね…
相変わらず吐き気は続いたけど、彼の服からする匂いは不思議と心地よくもあった。
また一時歩いたとこでリュウヤが立ち止まる。
「?」
「もう誰もいねぇな。よっ……と」
「おとと……」
やっと降ろしてくれた。
