「ごめん。気づかなかった!」
「いまのは?」
ずいずいと顔が近づいてくる。
「今のは…………気づかなかった」
「嘘つくなよ!」
「だって、恥ずかしいんだもん!」
そりゃ嘘もつきたくなるよ。
だってだって、話すだけでこんなに注目されるんだよ?!
みんなの好奇な目線とヒソヒソ話が聞こえてくる。
それだけで気分悪いよ~!
「はぁああー」
髪をくしゃくしゃしながらため息を吐く。
「お前なぁ……」
「気づかなかったんだからいいでしょ?!」と言おうとした時、肩になにかがのしかかった。
「おい、山田。やめとけよ完全に嫌がられてんのわかんない?」
後上を見上げるとダイくんの顔があった。
ダイくんがあたしの肩に手を置いたまま、リュウヤに口答えしてる。
肩……触られてる。
やっばい。
せっかく味方になってくれてるから何も言えない。
でも少し
気分が悪い。
