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「…………は?」




横の男子が、その言葉にピクっと反応する。




「……ん?万屋って…」



私がふと横を見ると、長身メガネ男子が声を上げた主を睨んでいた。



「あら、万屋くん?」



先生の視線とともに、みんなの視線も万屋に集まる。



「だって万屋部活入んねーって言ってたし…適任じゃね?」



声を上げた主は、ふてくされたように頬をふくらませていた。



……あれ?この人って







_さっき万屋をバレー部に誘ってた男子だ



「…いや、確かに入りませんけど」



万屋はメガネをかけ直しながら男子を見る。



「じゃーいいじゃん!決まりな、先生!」



そう言って、先生に笑顔を向ける男子。



……こいつ、万屋がバレー部入るの断ったからその仕返ししてるんじゃ?



私だけじゃなく蓮もそれに気づいたのか、おい…と声を上げようとするも、



「ええ……もしよかったら頼んでもいいかしら…?万屋くん」



と跡先生が申し訳なさそうに頼んだ。



さすがに先生や他のクラスメートからの期待にも耐えかねたのか、



「…分かりました」



と、万屋は溜息をつき了承してしまった。