木蓮に抱かれて

面接中、なにを話したのかはよく覚えていない。

ただ、覚えてるのは、緊張のあまり自分にすら聞こえないような小さな声でしか話せなかったことと、アタフタしていたこと。


「ゼッタイ落ちるわーーー・・・」


となりのトトロに出てくるような、辺り一面、田畑だらけの誰も通らないような道を、自転車で蛇行しながらゆっくりと帰路を漕いだ。


家に帰ると12コ歳下の弟とお父さんがいた。


「受かったのか?」

「いや、合否はまた電話かかってくる」

「そうか」


最悪・・・。


わたしは休日が嫌い。
こいつ・・・お父さんがいる休日が、大嫌い。


「さてと・・・、皆で昼寝でもすっかな」

「眠くないからわたしはいいよ、本読みたいし」

(バシッッッッ!!)
「痛いッッ!!」

「お前も寝るんだよ、みんなで」


断れない・・・。


断ったら、なにされるか分かんない。


断らなくても、なにされるか分からない・・・。


嫌だ嫌だ嫌だ・・・こわい、助けて・・・。


「こいよ」

お父さんが布団を広げる。
どうしよう、何も言えない・・・。

お父さんはわたしの何なんだろう。

彼女じゃない、奥さんでもない

わたしはお父さんの娘なの。

高校生の娘が同じ布団でお父さんと密着して寝るのは普通じゃないことに

早く気づいてよ・・・お願い・・・。