木蓮に抱かれて


「はぁ~・・・やっぱりお酒の席はわたしには似合わないや・・・」

休日の昼下がり。
青々とした空がわたしの背中を押してくれているように感じた、コンビニ前。
ひとつ大きく深呼吸をした。

高校入学と同時に始めたバイトは、親の知り合いのスナックのような居酒屋。

規定に触るから、と15歳なのにハタチと偽り働いていたけど、やっぱり性に合わずに、さっさと辞めてしまった。


正直・・・清々した。


親にも友達にも山ほど嘘はついてきたけど、どうでもいいような嘘をつくのは得意じゃない。
ツメが甘いから、すぐバレる。


それにわたしはお母さんとは違って、年上相手にベラベラと話を盛り上げられるようなタイプじゃないし、お酒を飲んで話すような仕事には向いてないんだ。


そもそも、そんな風に他人に、しかも年下女性に馴れ馴れしくされて気に障るものではないのかな・・・。


わたしなら嫌だ。


実は前々からしたかったバイトがある。
もう決まってる。

あまりに良い天気に背中を押されるように、コンビニへ足を運ぶ。


「いらっしゃいませ~」

「あ、あの、今日面接に伺わせていただきました、中山です」

「お待ちしておりました、こちらへどうぞ」

「失礼いたします・・・」