お見合いの後、私は学生時代の友人、聡美を呼び出した。

「全く。ひどいのよ。」


いつも行くスナックは、おしゃれで居心地が良い。

あまりお酒が強くない私が、一杯のカクテルで、ゆっくりできる店。


カウンターに腰掛けて。お見合いの愚痴を言う。
 
「どんな人だったの?」

聡美は面白半分に聞く。
 
「37才だって。真面目そうな人よ。今時銀縁の眼鏡かけて。」

私が答えると、聡美はケラケラ笑って。
 
「何で、お見合いなんかしたの。ドクターでもない人と。」と言う。
 
「断れなかったのよ。パパが、銀行の人の紹介だって言うから。」

少し膨れたように言う私。聡美は 二、三度頷いて
 
「結花里も、そういう付き合いに利用されるのね。」と言った。