車の中は不自由で。

運転席と助手席の距離に阻まれて。

その不自由さが、逆に私達を熱くする。

何度もキスをして。翼の腕は、私の背中を優しく撫でる。
 
「このまま、どこかへ行きたい。」

私は本音を洩らしてしまう。

翼はそっと私の体を離すと、静かに首を振る。