でも翼からは、既婚者の生活感がなかったから。

私はてっきり独身だと思い込んでしまった。

そして勝手に胸を躍らせていた。
 
毎日、掛かってくる電話を、私は待っていた。

翼と話すことは、楽しかった。

時々甘いことを言って、私をドキドキさせる翼。

私は翼を好きになっていた。