だから、翌日の午後 翼から
 
『昨日は楽しかったね』

とラインが来たとき、私は丁寧に、昨夜のお礼を言う。
 
『はい。ご迷惑おかけしました』
 
『酔ってない結花里ちゃんは、つまんないなあ』

砕けた口調の翼に、私は警戒心を解いて微笑む。
 
『酔った私に幻滅したでしょう』と聞く。

私の中で、何かが動き始めていた。
 
『まさか。今度は二人で飲みたいよ。結花里ちゃんを、もっと酔わせてみたいな』

翼の軽い返事に、私はときめいてしまったのだから。
 
『そのうちね。でも私、あれ以上飲むと、暴れますよ』

あえて私も、軽く返す。
 
『大歓迎。受けて立つよ』

翼の言葉に微笑みながら、
 
『今、昼食ですか』

と私は話題を変えた。
 
『そう。やっと。』

まもなく2時。いつも忙しそうに動いている翼を、私は思い出していた。そして
 
『お仕事、頑張ってね』と送った。
『ありがとう。おにぎりよりも、力が湧くよ』

翼の返事に、私は微笑み、スマホを置いた。