「今日、あいつから 離婚届を無くしたっていうラインが来てさ。」

夕食後、翼が私に言う。

一緒に暮らし始めて、まもなく2ヵ月。

全く変わらない状況に、私はかなり憔悴していた。
 
「無くしたって?どういうこと?」

私は驚いて、目を見開く。

「だらしない奴だから。間違えて捨てちゃったのか。仕舞い込んだのか。」

呆れた顔で言う翼。

私は翼を見つめる。
 
「まだ、引っ越してないの?」

やっと、そう聞くと
 
「多分。結花里。俺、離婚届渡しに行ってもいいかな?」

翼は遠慮がちに言い、探るように私を見る。

私は俯いたまま、頷くことができない。