父に反対されたことで、私は一層 熱くなってしまう。

大好きな父よりも、もっと翼を好きだと思うことが、私を支えていた。
 

父に叱られた翌週、私達は 二人で住む部屋を契約した。


翼の職場に近い、便利な立地のマンション。

1LDKと、部屋数は少ないけれど。

二人で暮らすには十分な間取り。
 
「店まで、歩いて通えるから。結花里と一緒にいる時間が増えるよ。」

笑顔で言う翼。

「うん。落ち着いたら、私も 近くで仕事を見つけるね。」

翼に寄り添い、微笑む私。