近藤はそんな三人を一瞥すると透に視線を当てた。


「透、申し訳ないがそうさせてもらう。君の家族には此方から話を通しておく。定期的に家に戻ることも見張り付きなら許すことにする。どうかこの処分を聞き入れてほしい。」


……………なんて優しいんだこの人は。


思わず透は目を瞬いた。


「えと…、全然大丈夫、です…。」


「そうか!良かった…!それでは早速使いの者を君の家に向かわせることに───」


「───あのっ!」


ほっとしたように言う近藤の言葉を透は慌てて遮った。


「………家のことは、気にしないで下さい…。」


この時代に透の家なんてない。


それにもし自分の両親が此処に居たとしたって───…。


「いや、でも両親が心配しやしないか?」


「戻りたくないんです。」










「……………わかった。連絡はしない。」


近藤は暫く思案してから頭の中で透を家出少女だろうくらいに考えて言った。


人は誰しも色々な事情を抱えている。


それは自分達も同じ。


だから近藤は深く取り入ろうとは思わなかった。


「ごめんなさい、我儘言って。感謝します。」