Alice in nightmare World

「マッドハッター、満足出来た?」

「ああ、満足だ、僕はずっと気がかりだったんだ、僕はグレーテルを見捨ててしまった、もちろん意図せずだが見捨てたに違いは無い、それがずっと心に刺さっていたんだ、今僕達に出会って、違う未来を与えた、きっと僕は正しい選択を出来るはずだ」

「マッドハッター、きっと」

私はマッドハッターの話で何かを思い出しそうになっていった。何かを思い出しそうだ何だったろう、大事なとこが思い出せない。

「どうしたのアリス?」

「ううん、何でもない」

「そう、ありがとう、じゃあ戻ろうか、アリスも行きたい場所は思い出せたかい?」

「私の行きたい場所、思い出せそう、でも思い出せない」

「そう、残念だ、ゆっくり思い出すといい」

「うん、ごめんなさい」

「謝ることは無い、僕も協力出来なくて申し訳ない、とりあえず部屋に戻ろうか」

「うん、そうしましょう」

「お姉さんたち行っちゃうの?」

「うん、もう行かないと」

「そう、お家ありがとうね」

「うん、妹さんをしっかり見てあげるのよ、大切に」

「うん、分かってるよ、ずっと一緒だ」

「そうね、約束」

「うん」

「じゃあね」

私はドアを想像した。マッドハッターの部屋のドア。