Alice in nightmare World

マッドハッターは冷たいけんまくで私を宥める。

「分かった」

「大丈夫、僕が探しに行く」

子供のマッドハッターが静寂を破りそう答える。

「それもダメだ」

「え、」

「それはダメなんだ」

「なんだよ、おじさん、勝手に決めるなよ、僕が探しに行かないとダメだろ、お母さんも迷ってるかも知れないし」

「キミはまたここに戻って来れるのか?キミは迷わないでここに戻って来れるのか?もし戻って来れなかったらキミは一生後悔することになる、だからキミはグレーテルの元に居るべきだ」

「おじさん、何でグレーテルの名前知っての?」

男の子は不振そうにこちらを見ている。

「キミにはまだ難しいかも知れないが僕は君でキミは僕なんだ、僕はグレーテルを置き去りにしてしまった、もちろん直ぐに戻って来るつもりだった。それでも僕は戻って来ることが出来なくなってしまった、そしてそれは呪いのように今までずっと後悔することなった、だからキミはここに居るべきなんだ」

子供たちは目を真ん丸にしてマッドハッターを見つめている。半信半疑だろうそんな表情だ。

「僕はグレーテルを裏切らないよ」

「ああ、僕も裏切らないよ」

私達は静寂に包まれた。

「でも、このままじゃお腹がすいて死んでしまうよ」