プリンセスストロベリーの憂鬱

紅茶の良い香りが口の中にいっぱいに広がる。

店の奥を見るとテーブルセットがあって喫茶店もやってることを知った。


「妹さん、実に熱心ですね」

「違います。従姉の子なんです。

今日だけ預かったんです」

「それは失礼を」

「いえ。あいつケーキ屋になりたいそうなんです。

和菓子屋の娘なのに」

「それはまた」

「今日預けられたのも、それが原因かもしれません」