プリンセスストロベリーの憂鬱

「私ね大きくなったらケーキ屋さんになるの」

「和菓子じゃなくてか?」

「うん。お菓子の家を作るの。

智和くんにも作ってあげるね」


名前にくんが着いた。少しは敬う気持ちが出てきたようだ。


「ありがとう」


ケーキ屋に入ると夏恵は歓声を上げた。


「苺のケーキたくさん。

苺色のケーキまである。

キレイ」


夏恵はすっかりケーキに夢中だ。

それでもオレの手を離さない所が可愛いと思った。

和菓子屋の娘だからケーキなんて食べられないのかもしれないな。