プリンセスストロベリーの憂鬱

「いや、別に」

「どっか行くの?ケータイと鍵持って」

「何でもねぇよ」

「私のこと迎えに来てくれようとしたの?」

「ちげぇよ」

「素直じゃないなぁ」


ここを見られたら何を言い訳にしても格好がつかない。


「ありがとう智和くん」


夏恵が腕にしがみついてくる。


「帰ってくるの遅ぇんだよ。女の子なんだからもう少し早く帰らせてもらえ」


「明日ね、結婚式があってウエディングケーキの下ごしらえの手伝いしてたの」