プリンセスストロベリーの憂鬱

夏恵が他の生徒と普通の会話をしているところを初めて見た。

それを見て少し安心した。
こうやって、クラスに少しずつ馴染んで行けば良い。

夏恵から目を離して、違う生徒たちの見回りに行った。


事件が起きたのは、それから数分後だった。


「キャー」

女子の悲鳴がした。


「どうした?」


他の先生も声の方に集まった。

中心にいるのは夏恵だった。


「…鷹司さをが私を庇って。お湯が…」


「お湯が入った鍋がコンロから落ちて来たんです。中村さんにお湯がかからなくて良かったです」


何を悠長に説明してるんだ。

作文の締めの言葉か!