夏恵をポンとオレに渡して店長は帰って行った。


夏恵は真っ赤な顔をして苦しそうに呼吸していた。


「何で熱あるのに、外なんて出るんだよ」


夏恵をベッドに戻して頭に冷えピタを貼ってやる。


「智和くん…」

「頭とか痛くないか?」


小さく夏恵が首を振った。

「食いたいものは?」

「ケーキ以外でな」

とつけ加えた。

ケーキは山ほど食べただろうからこれ以上はダメだ。

「…いらない」


そんなにケーキが好きかよ。