「若も若姐さんも今日は月曜です
親父が遅刻する前に起こして来いと」


永遠の向こう側から聞こえた“遅刻”というキーワードに慌てて起き上がった


「何時?」


「あ?」


「6時半っす」


十分間に合う時間でホッとする


「・・・え」


てか、着替えに地味子セット

顔見せのまま連れて来られた此処には
仕事の為の必須アイテムが何もない


「永遠、私、帰るねっ」


ベッドから降りると


「千色」


「若姐さ、ん」


二人の焦った声とこちらを向いているのが見えるけれど

コンタクトが入ってない所為でよく分からない


「見んな」


「すいやせんっ」


二人のやり取りが聞こえた後
永遠に抱き締められた


「・・・ん?」


状況が読めなくて
永遠を見上げる


「俺以外に見せんな」


そう言った永遠は眉尻を下げた困った顔で

益々意味が分からない私に


「脚は全出し、上半身はピチピチ
千色は俺以外も誘ってんのか?」


「え?」


永遠から聞かされた自分の姿を
窮屈な腕の中から見下ろすと

遥華さんが用意してくれたパイル地のパジャマは

確かに太腿全出しのショートパンツに
身体の線が際立つトップス

悩殺下着の所為で気にならなかったけれど
これだけを見ても色々際どいものだった