「必死で探して

必死で捕まえたのに・・・

お前は簡単に俺の手をすり抜けてしまって

それでも諦めるなんて一ミリも頭ん中には無かった

千色の為に必死になる自分も
良いなって思えたんだ

親父に頭を下げる俺も
若頭の話を早めても良いと思った俺も

千色の為なら格好悪い俺でも上等って思えるくらい

好きで、好きで仕方ねぇ」



時折切なそうに揺れる永遠の瞳を見ながら聞く告白に

胸がいっぱいになった


「ありがとう」


好きだと返すよりも
この言葉が今の気持ちを表すようで

精一杯の想いを込めた


「ゴタゴタの所為で順番が違うが
それも俺達流ってことにしようぜ」


フワリと笑った永遠は


「言っとくが俺の愛は重いぞ?
千色に合わなけりゃ知らずに済んだものを
知っちまったからな
俺がお前を
灰になるまで愛してやるよ」


そう言うとキツく抱き締めてきた


「・・・」


首筋に顔を埋めた永遠から聞こえたのは


「千色を愛しいと思えば思うほど
今まで感じたことのなかった
“怖い”って感情が生まれるんだ」


横暴な俺様野郎の口から吐き出される弱音に

胸が苦しくなる


「俺を強くも弱くもさせるなんて
ほんと、ヤベー女」


吐き出した弱音を吹き飛ばすようにクスッと笑った永遠は


「長い付き合いになるな
よろしくな、おれの婚約者さん」


キツく抱き締めたまま首筋にチュッと口付けた


「キャ」



驚いても身動ぎも出来ないほど
強く抱かれた身体は

頭から蒸気が出てるかもしれないと思うほど熱く火照っていて


真っ赤な顔が見られなくて済んで良かったと思ったのに


「クシュン」


私の小さなクシャミで離れた永遠は


「湯冷めか、風邪か」


大騒ぎするもんだから
バッチリ真っ赤な顔を覗き込まれて

恥ずかしい・・・と思うと同時に


間近の永遠の顔も同じように真っ赤で


またひとつ見えた新しい一面に
胸がトクンと跳ねた