「・・・・・・え」




・・・どういうこと?
永遠の言葉の意味を探ろうとする私を


チュッ


永遠の唇が邪魔をした


「・・・っ」


「頭ん中で考えんな、話してやる」


そう言って一度口元を緩ませた永遠は


「俺は三ノ組木村組の木村永遠だ」


「うん」


「三ノ組の仕事は“盾”になること
それは傘下の森谷でも同じこと」


「そうだね」


「何かあれば一ノ組の盾となり、先陣を切る
俺はそれをガキの頃から天命だと受け入れてきた
“盾”である自分が全てで他には何も要らねぇと」


「・・・」


「俺に群がる女達もNightや白夜の名前に釣られただけ

欲に塗れた女は扱いやすい

所詮女なんてそんなもんだと受け入れてきたんだ

天命を全うする為だけに生きるなら

感情は必要ねぇ

跡継ぎが必要なら親の決めた女と結婚すれば良い

大袈裟に聞こえるかもしれねぇが
俺はずっとそう思ってきた

それなのに・・・
そんな俺を一瞬で惑わせたのは
千色、お前だ」


「・・・」


「腕に飛び込んできたあの一瞬で
千色は俺の胸の中に住み着いた

所謂・・・一目惚れ・・・だな」


「・・・」


「盾にも鉄砲弾にもなる覚悟の俺に

たとえ・・・そこで・・・
命を落としたとしても
三ノ組として本望だと思っていた俺に

『帰りたい』って気持ちを作ってくれたのが千色だ」