「フゥ」


大きなお風呂をたっぷり堪能した後で
遥華さんが用意してくれた紙袋の中から
入っていた下着とパジャマを取り出すと悩みながら身につけた


(えぇぇーーーーーーーー)


声にならない悶絶は


鏡に写る下着姿の私の所為


遥華さん・・・どんだけ?


下着とは名ばかりの
総レースのそれは

黒のレースに大事な部分だけ小さなバラの刺繍が隠す程度の
淫らな下着だった




「ほとんど裸じゃない」




恥ずかし過ぎると
身悶えてみたけれど

じゃあさっき脱いだ下着をもう一度着るかと聞かれたら答えはノーだ


「ハァ」


何度かのため息の後
パイル地のモコモコパジャマを着ると
柔らかな着心地と薄いパステルピンクに


(キャーーーーーーー)


今度は違う意味で脳内絶叫


・・・可愛い


中にあんなエロい下着を着けてるとは
脱がない限りバレることはない


「うん、大丈夫」


可愛いパジャマに満足して

ドライヤーで髪を乾かすと
暖簾を潜った


「遅せぇ」


外のベンチには既に永遠が座っていた


「キャーーッ」


上半身裸の永遠に
両手で顔を覆う


「ん?」


「も、なにか、着てよっ」


「あ゛?暑いのに着れるかっ
俺は冬以外は上半身裸だ、慣れろ」


「・・・え」


理不尽なんだけど
普段通りと言われれば
ここは永遠の家だし・・・と
強くも言えず口篭る


「千色が遅せぇから湯冷めする」


立ち上がった永遠が少し不機嫌で


「・・・ご、めんね?」


少し焦って見上げると


「クッ、嘘だ、俺も出たとこ」


クツクツと笑う永遠に頭をクシャリと撫でられ

揶揄われたことを知る


トクン



無防備な永遠の笑顔に
ギュッと苦しくなる胸に手を当てると

また手を繋いで永遠の部屋へと戻った